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57 外形標準課税の予定・中間申告

いよいよ外形標準課税の適用事業年度がスタートすることとなりました。中間決算期を迎え、外形標準課税の対象となる企業においては事前準備をしていることかと思われます。

外形標準課税対象企業の
中間申告納付予定申告納付については、次の点に留意する必要があります。

法人事業税の中間申告納付については、従来は法人税の中間申告納付に準じて申告義務を判定していました。つまり、法人税の予定申告書に記載すべき税額が10万円以下の法人については、法人事業税についても申告する必要がなかったのです。

しかしながら、外形標準課税の対象となる企業の法人事業税については、法人税の予定申告書に記載すべき税額の多寡にかかわらず、今後は必ず中間・予定申告を必要とすることに改正されている点に留意する必要があります。つまり、事業年度が6ヶ月を越える法人で、資本の金額が1億円を超える法人は、必ず中間申告納付をする必要が出てきたのです。

中間申告について、外形標準課税の対象となる企業かどうかをいつ判定するのかというと、事業年度開始の日から6月の期間の末日によって判定されます。つまり、中間決算期末において資本金が1億円を超えていれば中間申告納付の義務が生ずるという訳です。

以上が外形標準課税の対象企業の原則となりますが、平成16年4月1日以後最初に開始する事業年度に限って経過措置が設けられており、従来どおりの法人税の中間申告納付に準じて法人事業税の中間申告納付の要否も判定されることにも注意しましょう。つまり簡単にいうと、外形標準課税の適用初年度の中間申告納付については、中間期末の資本金が1億円を超えていても、従来どおり法人税の中間申告納付に合わせますということになります。

一方で法人事業税の中間申告納付義務のある法人については、今までどおり仮決算に基づく中間申告と、前事業年度実績に基づく予定申告のいずれかを選択することになります。外形標準課税の適用初年度においては、事業年度実績は所得割の部分しかないため、結果として前事業年度実績に基づく予定申告納付では、今までどおり所得割部分の申告納付のみとなり、付加価値割および資本割りに対する法人事業税は発生しないことになります。一方で、仮決算に基づく中間申告納付を選択する場合には、所得割、付加価値割、資本割をそれぞれ計算して申告することになります。この場合、仮に所得がマイナスとなった場合でも、通常、付加価値割と資本割に対する法人事業税は発生することとなりますので、各企業の現状に応じて中間申告または予定申告のいずれかを選択するように留意してください。