投資家に的確な情報を提供し、会計基準の国際的調和を図るために、減損会計が導入されます。固定資産の減損会計とは、資産または資産グループの収益性の低価により投資額の回収が見込めなくなった場合に、一定の条件の下で回収可能性を反映させるよう帳簿価額を減額する会計処理のことをいいます。
平成18年3月期より原則としてすべての会社に適用されることになりますが、強制適用されるのは、証券取引法や商法の規定により公認会計士の外部監査が必要となる会社となり、また、連結財務諸表作成会社の子会社、関係会社についても事実上、適用せざるを得なくなると考えられます。
保有する固定資産に減損の兆候があるか等の一定のステップを経て減損処理を行う場合は、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として当期の損失とすることとなります。
では、この減損損失は税務上どのような取扱になるでしょうか。法人税法では、原則として資産の評価損を損金の額に算入することは認められていません。(注)減損損失は、税務上、資産の評価損等に該当するため、原則は有税処理することとなります。しかし、下記のような特別な事実が生じた場合には、帳簿価額を下回った法人税上の時価までの金額は損金に算入できことになります。