平成 15 年度の税制改正法案が 3 月末の国会で成立し、この 4 月 1 日から施行されることになりました。昨年 12 月に自民党が「税制改正大綱」で示した原案通りに、設備投資や研究開発に対する減税、相続時精算課税制度の創設をはじめとする相続・贈与税の改正、金融・証券税制の簡素化、土地・住宅税制の見直しなどが実施されます。
改正項目は、4 月 1 日から適用されるもの、相続税・贈与税のように、1 月 1 日に遡って適用されるものなどがありますが、今回は土地・住宅税制で、改正により直ちに適用されるものをいくつか紹介します。
売買等による所有権移転登記の税率が 5%→ 1%、所有権保存登記の税率が 0.6%→ 0.2% に軽減されるなど、不動産登記に係る登録免許税の特例が 15 年 4 月 1 日から 18 年 3 月 31 日までの 3 年間の措置として新設されました。また、居住用住宅の所有権保存登記や移転登記、住宅ローンの抵当権設定登記の税率を軽減する特例も 17 年 3 月 31 日まで 2 年間延長されています。このほか、相続人が遺贈により所有権移転登記を受ける場合の税率が、相続による移転登記と同じ 0.2%(改正前 2.5%)に軽減されています。
従来からの特例である、不動産の譲渡契約書と建設工事の請負契約書(契約金額 1,000 万円超のもの)に係る印紙税を軽減する措置が、17 年 3 月 31 日まで 2 年間延長されました( 1,000 万円超 5,000 万円以下の場合:20,000 円 → 15,000 円)。
平成 15 年 4 月 1 日から 3 年間の措置として税率を 4 % から 3 % に軽減する特例が設けられましたまた、15年 1 月 1 日から 2 年間は、宅地の課税標準を価格の 2 分の 1 とする特例も設けられています。
15 年 1 月 1日以降の取得・保有から特別土地保有税は課税されないことになりました。このほか、事業所の新増設にかかる事業所税が 3 月 31 日で廃止されています。
65 歳以上の親から 20 歳以上の子への贈与の場合に、2,500 万円の非課税枠が設けられました。本年 1 月 1 日以後の贈与から適用されます。さらに、住宅取得資金の贈与の場合は 15 年 1 月から 17 年 12 月までの特例措置として、非課税枠が 1,000 万円上乗せになり、親が 65 歳未満でも制度を利用するおことができます。
なお、相続税・贈与税の税率適用区分も見直され、1 月 1 日以後の相続・贈与から税負担が軽減されています(贈与税の基礎控除 110 万円の変更はありません)。
|