平成15年度税制改正では、パソコンなど8種類のIT関連機器とソフトウェアを対象とする「IT投資促進税制」が創設されました。中小企業者については、対象資産を問わずに、取得価額30万円未満の減価償却資産を即時償却(必要経費)できる特例措置が設けられています。
IT投資促進税制は、
(1) 電子計算機
(2) デジタル複写機
(3) ファクシミリ
(4) ICカード利用設備
(5) デジタル放送受信設備
(6) インターネット電話設備
(7) ルーター・スイッチ
(8) デジタル回線接続装置
(9) ソフトウェア
の9品目が対象で、平成15年1月1日から18年3月31日までの特例として措置されました(対象設備は、従来からある特例「中小企業投資促進税制」で対象設備とは若干異なっていて、上記のIT関連設備に限定されています)。
この特例は、(1)〜(8)の機器の取得価額の合計が、事業年度またはその年分で140万円以上(資本金3億円以上の法人は600万円以上)となれば、取得価額の50%の特別償却、または取得価額の10%相当額の税額控除ができるというものです(ソフトウェアの場合は70万円以上。資本金3億円超は600万円以上)。
一方、パソコン等に限らず、取得価額30万円未満の原価償却資産であれば事業供用を条件として何でも即時償却できる特例の方は、中小企業者だけの制度となっています。
パソコンをはじめとする、いわゆるIT関連機器についての税務処理、投資減税制度をまとめると次のようになります。特例のダブル適用はできないので、効果を比較検討して利用することになるでしょう。
1台あたりの取得価額 |
10万円未満の場合 |
少額減価償却資産として損金(必要経費)算入 |
20万円未満の場合 |
一括償却資産として3年で均等に損金算入 |
30万円未満の場合 |
少額減か償却資産の特例で即時償却(18年3月までの措置) |
1台あたり、またはその事業年度(年分)での取得価額の合計 |
100万円以上の場合 |
少額減価償却資産として損金(必要経費)算入 |
140万円以上の場合 |
一括償却資産として3年で均等に損金算入 |
IT投資促進税制は、対象設備をリースで導入する場合で、リース費用総額が200万円以上(ソフトウェアは100万円)であれば税額控除を適用することができます。中小企業投資促進税制では、リース契約期間が5年以上などとされていたので、パソコンのリースには使えませんでしたが、今度のIT税制は4年以降であればよいことになっています。