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取得価額が10万円以上 20万円未満の減価償却資産を取得等して事業の用に供した場合には、(1)通常の減価償却、(2)一括償却資産の損金算入のいずれかにより損金の額又は必要経費に算入することになります。中小企業者等に該当する場合には、さらに(3)少額減価償却資産の損金算入の特例により、その取得価額の合計額のうち年300万円に達するまでの金額を損金の額又は必要経費に算入することができます。 (1)通常の減価償却 例えば、R7.3月期(R6.4.1〜R7.3.31)事業年度の期首に取得価額18万円、耐用年数4年(定率法 償却率0.500 改定償却率1.000 保証率0.12499)の減価償却資産を取得して事業供用した場合の損金算入額は次の通りです。
(2)一括償却資産の損金算入 取得価額が10万円以上20万円末満の減価償却資産については、その取得価額の合計額の3分の1に相当する金額をその事業の用に供した事業年度以後3年間で損金の額に算入することができます。(1)の資産の場合、R7.3期、R8.3期、R9.3期の各事業年度で6万円ずつを損金の額に算入することになります。 (3)少額減価償却資産の損金算入の特例 中小企業者等が、取得価額が30万円未満である減価償却資産(少額減価償却資産)を令和8年3月31日までに取得等して事業の用に供した場合には、その取得価額に相当する金額(年300万円に達するまで)を損金の額に算入することができます。(1)の資産の場合、R7.3期に180,000円を損金の額に算入することとなります。 (4)損金算入額の比較 取得価額が10万円以上20万円未満の減価償却資産については、上記(1)から(3)まで((3)は中小企業者等に該当する場合)のいずれかにより損金の額に算入することができます。 【損金算入額(償却限度額)】
例えばR7.3期では中小企業者等の場合は(3)が最も損金算入額が多くなり、中小企業者等以外の場合には(1)通常の減価償却計算の方が(2)一括償却資産よりも損金算入額が多くなります。取得価額が10万円以上20万円未満の減価償却資産については、個別管理を要しない、その取得価額の合計額に対して損金算入額の計算ができることなどから、一般的に一括償却資産として(2)の方法により損金算入額を計算することが多いと思われますが、(1)による損金算入額が多くなる減価償却資産を大量に購入した場合や、中古資産で耐用年数が短くなる場合等は、(1)を選択した方が有利になることも想定されます。 |