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206 平成28年分所得税確定申告の留意点

平成28年分の所得税確定申告の留意点と改正点のポイントは以下の通りです。

1. 平成28年分の所得税等の確定申告から適用される主な改正事項

(1)金融・証券税制

居住者等が、平成28年1月1日以後に支払いをうけるべき一定の特定公社債等の利子等や、一般公社債等や特定公社債等の譲渡による譲渡所得については、15%の所得税の税率による申告分離課税の対象となりました。また、一定の特定公社債等については、金融商品取引業者等に開設している特定口座に受入ができることとなりました。

上場株式等の譲渡損失及び配当所得の損益通算の特例の対象に、特定公社債等の利子所得等及び譲渡所得等が加えられ、平成28年1月1日以後に特定公社債等の譲渡により生じた損失のうち、その年に損益通算をしても控除しきれない金額については、翌年以後3年間にわたり、特定公社債等の利子所得等及び譲渡所得等並びに上場株式等の配当所得(申告分離課税を選択したものに限る。)及び譲渡所得等からの繰越控除が可能となりました。

(2)土地・住宅税制

特定増改築等住宅借入金等特別控除又は住宅特定改修特別控除について、住宅の多世帯同居改修工事等をして、平成28年4月1日以後に居住の用に供した場合において、一定の要件のもとでこれらの特別控除の適用を受けることができることとされました。

(3)日本国外に居住する親族に係る扶養控除

非居住者である親族に係る扶養控除、配偶者(特別)控除又は障害者控除の適用を受ける居住者は、親族関係書類及び送金関係書類を確定申告に添付し、又は確定申告書の提出の際に提示しなければならないこととなりました。

(4)給与所得控除

給与所得控除の上限額が、230万円(給与収入1,200万円を超える場合の給与所得控除額)に引き下げられました。

(5)ジュニアNISA・NISA

ジュニアNISAが創設され、 NISAについての非課税限度額を120万円(改正前:100万円)に引き上げるなど、所要の改正が行われました。

2. その他の留意点

(1)マイナンバー

平成28年分以降の所得税等の確定申告書には、マイナンバーの記載と本人確認書類の提示又は写しの添付が必要となります。

(2)財産債務調書制度

確定申告が必要な方で、その年分の退職所得を除く各種所得金額の合計額が2千万円を超え、かつ、その年の12月31日において、その価額の合計額が3億円以上の財産又はその価額の合計額が1億円以上の国外転出時課税制度の対象財産を有する方は、「財産債務調書」をその年の3月15日までに提出しなければならないこととされています。

(3)国外財産調書制度

居住者(非永住者を除く)の方で、その年の12月31日において、その価額の合計額が5,000万円を超える国外財産を有する方は、「国外財産調書」をその年の翌年の3月15日までに提出しなければならないこととされています。