年末調整では、配偶者控除、扶養控除、保険料控除などの控除が受けられます。下記にまとめてみました。
1. 配偶者控除と扶養控除
ポイント:年の中途で異動が生じた場合には、「扶養控除等異動申告書」の提出が必要です。
配偶者控除や扶養控除の対象となるのは、給与の支払を受ける人(所得者本人)と生計を一にする配偶者や年齢16歳以上の親族(いわゆる里子や養護老人も含まれます。)のうち、合計所得金額(注)が38万円以下の人です。
- (注)
- 上記の合計所得金額には、遺族年金などの非課税所得、源泉分離課税が適用される利子、確定申告しないことを選択した利子等又は配当等などは含まれません。
2. 配偶者特別控除
ポイント:この控除を受けるためには「配偶者特別控除申告書」の提出が必要です。
給与の支払を受ける人(所得者本人)の合計所得金額が1,000万円以下で、生計を一にする配偶者の合計所得金額が38万円超76万円未満(所得が給与所得だけの場合には、給与の収入金額が103万円超141万円未満)の場合には、その金額に応じて最高38万円が控除されます。
- (注)
- 年末調整において、国外に居住する配偶者に係る配偶者特別控除の適用を受ける場合には、給与の支払者に、その配偶者に係る親族関係書類及び送金関係書類を提出又は提示する必要があります。
3. 各種の保険料控除
ポイント:社会保険料控除、小規模企業共済等掛金控除、生命保険料控除、地震保険料控除の控除を受けるためには「保険料控除申告書」の提出が必要です。
4. (特定増改築等)住宅借入金等特別控除(税額控除)
ポイント:この控除を受けるためには「住宅借入金等特別控除申告書」などを勤務先に提出する必要があります。なお、最初の年分については確定申告により控除の適用を受ける必要があります。
給与所得者など(所得の金額が一定の額を超える人などは除かれます。)が、一定の要件を満たす家屋の取得又は増改築をして平成31年6月30日までの間に自己の居住の用に供した場合において、一定の住宅借入金等を有するときは、一定の期間にわたり所得税額から住宅借入金等特別控除額が控除されます。
平成28年分の年末調整に適用される控除額の表(平成27年中に住宅を居住の用に供した人用)
住宅を居住の用に供した日 |
控除期間 |
住宅借入金等の年末残高に乗ずる
控除率 |
控除
限度額 |
平成27年1月1日から平成27年12月31日まで |
本則 |
特定取得 |
10年間 |
4,000万円以下の部分の金額×1.0% |
40万円 |
特定取得以外 |
10年間 |
2,000万円以下の部分の金額×1.0% |
20万円 |
認定住宅 |
特定取得 |
10年間 |
5,000万円以下の部分の金額×1.0% |
50万円 |
特定取得以外 |
10年間 |
3,000万円以下の部分の金額×1.0% |
30万円 |
5. マイナンバーについて
平成28年1月1日以後に給与の支払者に提出する「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」には、一定の場合を除き、給与所得者本人、控除対象配偶者及び控除対象扶養親族等のマイナンバー(個人番号)を記載する必要があります。年末調整の際に、給与の支払者に提出する「給与所得者の保険料控除申告書」、「給与所得者の配偶者特別控除申告書」及び「給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書」には、給与所得者本人又は配偶者のマイナンバーを記載する必要はありません。また、給与の支払者から給与所得者に交付される「給与所得の源泉徴収票」には、マイナンバーは記載されません。
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