前の解説へ 次の解説へ

05 ソフトウェア関連費用の取り扱い

10万円以上のソフトウェアはすべて資産計上
4月1日以後に購入等により“取得”したソフトウェアから、減価償却資産(無形固定資産)として

  複写・販売用原本及び開発研究用=3年

 2 それ以外の業務用=5年

により、定額償却(残存価額 0)を行うこととされました。

3月31日までの取得分は、購入・委託による場合に限り繰延資産に該当し、20万円以上のものは資産計上を要することとされていました。
今後は、自社開発(システム会社から技術者の派遣を受けるケースを含みます)であれ、購入・委託であれ、すべて減価償却資産として10万円以上は資産計上が求められることになります。

ちなみに10万円未満のソフトウェアは、それを「実際に事業のように供した時点」で損金とすることが認められます(繰延資産=20万円未満は事業供用に関わらず支出時の損金)。


既存ソフトに対するバージョンアップ費用
4月1日前に取得され既に事業供用されているソフトウェア(繰延資産に計上又は期間費用で処理)に対し、新たな機能の付加や処理能力の向上をもたらす改修作業を行った場合、その費用はすべて「資産=ソフトウェアの新規取得」とされます(繰延資産には『資本的支出』という概念は存在しません)。

従って、3月31日以前に作業を開始し、4月1日以後に完了した場合、4月1日以後の期間に係る費用を取り出して「4月1日以後に取得されたソフトウェア=減価償却資産の取得価額」として計上することになるのでご注意ください。

ちなみに、4月1日以後本体を取得して減価償却資産に計上しているソフトウェアに対するバージョンアップ費用は、「資本的支出」(20万円未満は一時の損金)又は新規取得(10万円未満は一時の損金)のいずれかに該当することになります。

ソフトウェアバージョンアップ図


制度改正に伴なう改定費用は?
これに対し、繰延資産に対してであれ、減価償却資産に対してであれ、本来の機能を維持するための費用は、修繕費に準じたものとして金額の多寡によらず支出時の損金とすることが認めまれます。

かつて、消費税率の引き上げ(3% → 5%)に際してのプログラム修正費用は、一時の損金処理が認められた経緯がありますが、同様に、税額表や申告書様式など法令の改正に伴うプログラムを修正するケースなども(バージョンアップを伴なわない限り)繕費に準じた処理が可能と思われます。