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上場・店頭売買株式を売却して得た利益=「譲渡所得金額」については、現在、次の2とおりの課税方式が手当てされており、納税者の選択が可能となっています。
申告分離課税 課税所得金額{株式売却による収入金額ー譲渡原価(取得価額+借入金利子+売買委託手数料等)}×税率20% 源泉分離課税 譲渡価額×みなし利益5.25%×税率20%(=譲渡価額×1.05%) 申告分離課税は、売った値段から買った時の値段などの“元手”を差し引いて正味の儲け部分を求めたうえで確定申告を行うことになります。従って、買った時よりも値段が下がっていれば「譲渡損失」が生じることもあり得るわけです。 一方、源泉分離課税は、その名のとおり、売却価額の1.05%を証券会社が源泉徴収により差し引くことで納税が完結し、申告等の手続きはいりません。ただし、その売却について利益が生じていたか損失になっているかにかかわりなく、常に売却価額の1.05%の税負担がかかる点がこの制度の特徴です。 なお、源泉分離を選択する場合、株式を売却するときまでに証券会社の支店・営業者を通じて所定の届け出を行う必要があります。 この源泉分離課税は、来年4月1日以後の株式の売却から廃止されることが決まっており、その日以後はすべて申告分離課税により納税を行うことになります。 |
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つまり、来年4月1日以後の株式売却では、その都度「譲渡原価」を差し引いて課税所得・納税額を求める必要があるわけですが、昔から保有している株式などで買った時の記録の控え等を紛失して「取得価額」が分からなくなっているケースもあろうかと思います。
この場合、以下の方策が考えられます。 1 証券会社に問い合わせ、顧客元帳などの記録で本来の購入価格を確認してもらう 2 株券の裏面の日付けや発行会社の株主名簿で「株主となった日」を把握し、 3 来年3月31日までに証券会社を通じて売却し源泉分離課税によりいったん いずれにせよ、何らかの合理的な裏付けがない場合、申告分離課税の適用に当たり「譲渡価格×5%」が取得価額とみなされることになるのでご留意下さい。 |