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06 ホームページの作成費用

プログラムを内蔵しているものは要注意
インターネット上で公開される「ホームページ」の作成費用については、以下の条件に合致する限り、基本的に広告宣伝費に準じて支出時点の損金とすることが認められます。

 1 主として広告宣伝を目的とし1年未満のスパンで内容が頻繁に更新されている。

 2 そのページにはソフトウェア(プログラム)が内蔵されておらず、
  単なる画像・文字等の“デジタル・コンテンツ”の掲載に過ぎない。

これは、平成9年に当時の実態を踏まえ、税務当局が明らかにした取扱いですが、当時からソフトウェアを有するものについては、その分の費用を取り出して繰延資産に計上する(→5年定額償却)こととされていた点にご注意下さい。

今ではデータベースにアクセスしたりオークションを行ったりetc.様々なプログラム機能を有するホームページが主流となっています。

この4月以降にソフトウェアを含むホームページを開設した場合、外部委託であれ自社でデザイン・作成したものであれ、そのソフトウェア相当額は無形固定資産の取得価額に該当し、法定償却を要することになります。

ネットサーフィンをしている人委託の場合などは、相手先に確認して、支払い内容の内訳(ソフト部分・それ以外)を明らかにしてもらうなどの対応が求められるでしょう。

また、自社で作成した場合も、全体の作業工数(h)を把握したうえで、ソフト開発に要した時間を抽出してその担当社員の1時間当たり人件費を乗じるなどにより、ソフトウェア相当額を合理的に見積もることになります。



 参 考  ショッピング・モールの出店費用の取り扱い

Q
カード会社が主催するショッピング・モール(インターネット上のバーチャル店舗)への出店を検討していますが、具体的には以下の費用がかかります。税務上の取り扱いはどのようになるでしょうか?
・加盟金(初期費用) 15万円
・出店料金(月 次) 取り扱いアイテム数に応じて5万円から20万円程度
※この他、売上代金の決済で一定の手数料(カード加盟店割引料)を負担する。

A
初期費用である加盟金は、カード会社との加盟店契約に基づき支払われるものであり、支出の効果が通常1年以上及ぶことから繰延資産として5年償却が相当と思われますが、20万円未満であれば一時の損金算入が可能です。

また、その他の費用は通常経費として支出時の損金算入が認められるものと思われます。