|
平成19年1月23日の最高裁判決を受けて、相続税申告の際の特例である小規模宅地等の特例についての取扱いが変更されています。 小規模宅地等の特例とは? 小規模宅地等の特例とは、相続税申告の際に評価する土地等について、相続等により取得した宅地等のうちに、被相続人等の居住用または事業用に供していた宅地等があった場合に、その宅地等の一定の面積部分について50%または80%の評価を減額して申告ができるというものです。 従来の取扱いは? この小規模宅地等の特例の適用にあたって、従来は小規模宅地等の特例の適用を受けるには、相続開始の直前において居住の用等に供している事実が外形的・客観的となっている必要があると考えられていました。そのため、土地区画整理事業等の施行によって仮換地指定を受けたことにより、相続開始の直前において仮換地前の宅地および仮換地が更地であるような場合には、この特例の適用は受けることができないと取り扱われていたものです。 変更後の取扱いは? 土地区画整理事業等の施行によって、仮換地前の土地および仮換地の使用収益が制限されているような場合、つまり、法的な規制があるために、当然に土地所有者がその土地を居住の用等に供すことができないような状態であるときには、その仮換地を居住の用等に供する予定がなかったと認めるに足りる特段の事情がない場合には、小規模宅地等の特例の適用が認められることになりました。 取扱い変更後においても小規模宅地等の特例が適用できない場合として、公開された国税庁の例示によれば、(1)従前地について売買契約を締結していた場合(2)既に別の場所に居住用不動産を取得(または契約)していた場合(3)従前地について物納の申請をしていたり、物納の許可を受けているような場合が拳げられています。 過去の申告についても見直しの対象になります この取扱いの変更については、今後の申告についての取扱いだけでなく、過去の申告についてもその見直しの対象となります。 |