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平成17年7月に公布された会社法がいよいよ平成18年5月1日より施行されます。新会社法では、最低資本金制度の撤廃、機関設計の柔軟化等、会社に係る各種の制度の在り方について、体系的かつ抜本的な見直しを行っています。その中で人的資産が重視される事業に適した法人形態とされる合同会社制度が創設されました。 1.合同会社制度の創設 新会社法では会社の類型が見直され、株式会社と有限会社が1つの会社類型(株式会社)として統合されました。また、いままであった合名会社、合資会社に加え新しい会社類型として日本版LLC(リミテッド・ライアビリティ・カンパニー)といわれる合同会社が創設されました。その特徴としては、(1)出資者(社員)全員が有限責任である、(2)原則として社員全員の一致により定款の変更その他会社の在り方が決定され、社員自らが会社の業務執行にあたる点があげられます。出資者が有限責任である点は株式会社と同じですが、内部関係については、株式会社が基本的に強行法規性を有しており、業務執行者としての取締役の設置が必要となっている等に対し、合同会社は業務執行の在り方や各社員の有する権利内容等についても強行規定がほとんどなく柔軟な運営ができる点が大きく異なります。したがって合同会社はベンチャー企業やジョイント・ベンチャー、コンサルティング等の専門的事業においてその活用が想定されています。 〈会社の類型類型〉
2.LLCとLLP 合同会社と同時期に創設され比較されることも多い事業形態として、日本版LLP(リミテッド・ライアビリティ・パートナーシップ)といわれる有限責任事業組合があります。有限責任事業組合は、民法上の組合の特例として有限責任事業組合契約法に定められています。この組合の特徴としては、(1)出資者全員が有限責任である、(2)原則として利益の分配や組織設計について組合員によって決定される内部自治である、(3)組織に課税される法人課税でなく、出資者に直接課税される構成員課税(パススルー課税)である点があげられます。合同会社と有限責任事業組合の共通点は、出資者が全員有限責任である点、内部関係が柔軟な運営ができる点です。相違点は合同会社は法人課税が適用され、有限責任事業組合は構成員課税が適用される点、合同会社は法人格があるが、有限責任事業組合は法人格がない点、合同会社は出資者全員が業務執行を行う必要はないが有限責任事業組合は出資者全員が業務執行に携わる点等となります。 |