1.特定口座制度の概要
特定口座制度とは、証券会社が納税者に代わって、上場株式等の譲渡所得等の計算を行い、納税者が上場株式等の譲渡所得等について簡易に申告・納税することができる制度をいいます。 源泉徴収ありの特定口座を選択した場合、証券会社が取引の約定日ごとに源泉徴収を行ってくれるため基本的には確定申告は不要となります。 また、源泉徴収なしの特定口座の場合でも「年間取引報告書」を用い、簡易に確定申告書を作成することができます。 なお、譲渡損失の繰越など一定の特例等の適用を受ける場合には、特定口座を利用した場合でも確定申告をする必要があるので注意が必要です。
2.特定口座入庫の際の注意点
タンス株の特定口座への入庫は平成16年12月31日に期限到来により廃止されました。しかし、平成17年度の税制改正により、平成17年4月1日から平成21年5月31日までの間に、一定の要件のもと、実際の取得価額により入庫することが可能となりました。
従来の制度では、特定口座への入庫に際する取得価額は
の3つの価額を自由に選択することができました。しかし、改正後の制度では取得価額が不明のものについては入庫が認められませんので注意が必要です。
3.特定口座内株式の精算等の損失
平成17年4月1日以降、特定口座で管理されていた上場株式等が、発行会社の清算結了等によって無価値化した場合には、その無価値化した株式について譲渡があったものとみなして、損失の金額のうち一定金額を譲渡損失として譲渡所得の計算をすることができることとなりました。この制度は特定口座内の株式にのみ適用があり、特定口座を利用した場合のメリットといえます。