一時期、「年金の未納3兄弟」ということばが政界を賑やかしましたが、消費税ミスも「3兄弟」によって起こされています。
1.設備投資
長男格は、“設備投資”です。
とにかくスケールが大きく、損害が必ず大きくなりがちなのが特徴です。
設備投資などによって預り消費税より支払い消費税が上回り多額の消費税の支払いがある場合でも、免税事業者はその消費税還付を受けることができません。
そこで、免税事業者は、課税事業者を選択し消費税の還付を受けることができます。この場合には「課税事業者選択届出書」を課税期間開始の日の前日までに提出する必要があります。
決算期末においては、翌期の設備投資計画の有無・予算・時期、過去の届出状況などを十分検討し、届出を失念しないようにしましょう。
2.第3期
次男にたとえるなら、“第3期”です。
次男は、影が薄く空気のように存在を感じさせないのが特徴です。
消費税は、“新設法人”かどうかで設立以後第3期までの取扱いが異なります。
以下の表のように“新設法人”に該当する場合(一般に株式会社)には、設立期及び第2期は自動的に課税事業者となり、他方、“新設法人”に該当しない場合(一般には有限会社で資本金が1000万円未満の場合や個人事業者)には、免税となりますが、第3期は基準期間の課税売上高で判定します。
区分
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設立期
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第2期
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第3期
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有限会社(資本金1千万円以上を除く)
及び個人 |
免税
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免税
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基準期間の
課税売上高で判定
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株式会社
(資本金1千万円以上の有限会社を含む) |
課税
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課税
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このように、消費税はその仕組み上必ず第3期に注意しなければなりませんが、第3期における選択は第2期末までに行います。
必ず第2期末において、第3期以降の設備投資計画・事業計画、基準期間の課税売上高、届出書の提出状況などを検証し、検証・分析に基づいた選択を行うことが必要です。
3.確認漏れ
最後の三男は、“確認漏れ”です。
確認漏れには、以下のような例がありますので、決算期末においては必ず確認などを行うようにしましょう。
・過去に提出した簡易課税選択届出書の確認漏れ
・設備投資計画の確認漏れ
・事業計画の確認漏れ
・基準期間の課税売上高の確認漏れ
・基準期間の確認漏れ など
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