相続税は、原則として、相続又は遺贈により取得した財産が課税財産とされていますが、財産の中にはその財産の性質等に照らして、社会政策的見地や人間感情等の面から課税の対象とすることが適当でないと認められるものがあります。その価額を課税価格に算入しないものが非課税財産になります。
代表的な非課税財産を確認していきましょう。
相続税の非課税財産で代表的なもの
相続税がかからない財産のうち代表的なものは、次のとおりです。
- 墓地や墓石、仏壇、仏具、神を祭る道具など日常礼拝をしている物
日常礼拝の用に供している祭祀財産は、次のものとなります。
- 系譜(家系譜、家系図など)
- 祭具(位牌、仏壇、仏具、仏像、神棚、神具、ご神体、庭内神祠など)
- 墳墓(墓石、墓地、棺、霊廟など)
- 宗教、慈善、学術、その他公益を目的とする事業を行う一定の個人などが相続や遺贈によって取得した財産で、公益を目的とする事業に使われることが確実なもの
公益事業となる財産の例は、次のものとなります。
- 社会福祉(障害者支援施設、養護老人ホーム、デイサービスなど)
- 保育(小規模保育、事業所内保育など)
- 教育施設(学校、認定こども園)
- 文化施設(図書館、博物館など)
- 学術事業(学術研究、科学技術の知識の普及)
- 更生保護施設
- 地方公共団体の条例によって、精神や身体に障害のある人またはその人を扶養する人が取得する心身障害者共済制度に基づいて支給される給付金を受ける権利
- 相続によって取得したとみなされる生命保険金等のうち、500万円に法定相続人の数を掛けた金額までの部分
- 相続によって取得したとみなされる退職手当金等のうち、500万円に法定相続人の数を掛けた金額までの部分
- 個人で経営している幼稚園の事業に使われていた財産で一定の要件を満たすもの
なお、相続人のいずれかが引き続きその幼稚園を経営することが条件となります。
- 相続や遺贈によって取得した財産で、相続税の申告期限までに国または地方公共団体や公益を目的とする事業を行う特定の法人に寄附したもの、あるいは、相続や遺贈によって取得した金銭で、相続税の申告期限までに特定の公益信託の信託財産とするために支出したもの

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