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172 小規模宅地等の特例改正のポイント

平成25年度税制改正により、小規模宅地等の特例の適用要件緩和・適用面積拡大が行われました。

1. 制度の概要

個人が、相続又は遺贈により取得した財産のうち、その相続の開始の直前において被相続人等の事業の用に供されていた宅地等又は被相続人等の居住の用に供されていた宅地等のうち、一定の選択をしたもので限度面積までの部分(「小規模宅地等」という。)については、相続税の課税価格に算入すべき価額の計算E、一定の割合が減額されます。なお、相続開始前3年以内に贈与により取得した宅地等や相続時精算課税に係る贈与により取得した宅地等にっいては、この特例の適用を受けることはできません。

宅地等 限度面積 減額割合
事 業 用   400u 80%
  不動産貸付 200u 50%
居 住 用 330u(平成26年までは240u) 80%

【居住用宅地の減額要件】

宅地を相続した者 相続税申告期限までの
居住要件 所有要件
配偶者 なし なし
被相続人と同居していた親族(配偶者を除く) あり あり
被相続人に配偶者も同居親族もなく同居していなかった親族(配偶者を除く) なし あり
被相続人と同居していなかったが生計を一にしていた親族(配偶者を除く) あり あり

2. 平成26年1.月1日以後の相続・遺贈について適用されるもの

(1)二世帯住宅

  内部で行き来が可能 内部で行き来が不可能
平成25年まで ×
平成26年から

平成26年1月1日以後は、構造上完全に区分された二世帯住宅(内部で行き来が出来ない構造の住宅)でも小規模宅地等の特例の適用が受けられることになりました。ただし、区分所有登記された建物の場合は、被相続人居住部分に対応する敷地だけが対象となります。

(2)老人ホームへ入所した場合の取扱

平成26年1,月1日以後は、一定の要件を満たせば、入所前に住んでいた宅地等も被相続人の居住用の宅地等として特例の適用が受けられることになりました。

3. 平成27年1月1日以後の相続・遺贈について適用されるもの

(1)居住用宅地の適用対象面積の見直し

改正前 改正後
限度面積 240u (減額割合80%) 限度面積 330u (減額割合80%)

(2)居住用宅地と事業用宅地を併用する場合の限度面積の拡大

改正前 改正後
特定居住用宅地等
特定事業用等宅地等
240u
400u
} 合計400uまで
適用可能
特定居住用宅地等
特定事業用等宅地等
330u
400u
} 合計730uまで
適用可能