申告書を提出した後で、所得金額や税額などを実際より多く申告していたことに気付いたときには「更正の請求」という手続きにより訂正を求めることができます。平成23年12月2日に公布・施行された平成23年度税制改正で、「更正の請求」に関する改正が行われました。
1.適用時期
平成23年12月2日以後に法定申告期限が到来する国税について適用されます。
2.主な改正内容
(1)更正の請求期間の延長
更正の請求をすることができる期間が、従来、法定申告期限から原則として1年間とされていましたが、改正により原則5年間に延長されました。
項目 |
改正前 |
改正後 |
納税者が行うことができる更正の請求期間 |
所得税、法人税、消費税、相続税 |
1年 |
5年 |
純損失等の金額に係る法人税 |
9年 |
贈与税、移転価格税制に係る法人税 |
6年 |
税務署長が増額更正を行うことができる期間 |
下記以外 |
3年 |
5年 |
法人税 |
5年 |
純損失等の金額に係る法人税 |
7年 |
9年 |
贈与税、移転価格税制に係る法人税 |
6年 |
6年 |
仮装隠蔽など |
7年 |
7年 |
(2)更正の申出手続
平成23年12月2日より前に法定申告期限が到来する国税で、更正の請求の期限を過ぎた課税期間についても、課税当局が増額更正できる期間内に「更正の申出書」を提出することにより減額更正を求めることができるようになりました。
項目 |
更正の申出書の提出期間 |
所得税、消費税、相続税 |
法定申告期限から3年以内 |
法人税(通常) |
法定申告期限から5年以内 |
贈与税 |
法定申告期限から6年以内 |
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