平成24年度税制改正関連法が3月30日に、参議院本会議で可決、成立しました。このうち、個人所得課税に関する主な論点は下記のとおりです。
1.給与所得控除の見直し
給与収入が1,500万円を超える場合の給与所得控除に、一律245万円の上限が設定されました。
給与収入 |
〜162.5万円 |
300万円 |
500万円 |
800万円 |
1,000万円 |
1,500万円 |
2,000万円 |
2,500万円 |
3,000万円 |
現行控除額 |
65万円 |
108万円 |
154万円 |
200万円 |
220万円 |
245万円 |
270万円 |
295万円 |
320万円 |
改正控除額 |
65万円 |
108万円 |
154万円 |
200万円 |
220万円 |
245万円 |
※所得税は平成25年から、住民税は平成26年度分より適用となります。
2.退職所得課税の見直し
勤続年数5年以下の法人役員等の退職金について、2分の1課税が廃止されました。
<退職所得に係る所得税額の計算> 他の所得と区分して下記により分離課税
一退職所得控除の計算−
勤続年数 |
退職所得控除額 |
20年以下 |
40万円×勤続年数(最低80万円) |
20年超 |
800万円十70万円×(勤続年数−20年) |
一税率−
課税所得金額 |
税率 |
控除額 |
195万円以下
330万円以下
695万円以下
900万円以下
1,800万円以下
1,800万円超 |
5%
10%
20%
23%
33%
40% |
0円
97,500円
427,500円
636,000円
1,536,000円
2,796,000円 |
※勤続年数の計算(原則)
・勤続年数に1年未満の端数があるときは、その端数は1年に切り上げて計算します>
・長期欠勤や一定の休職の期間も勤続年数に含まれます。
3.住宅ローン控除の見直し
住宅ローン減税制度が拡充され、省エネ性の高い「低炭素住宅」に対しては、通常の住宅よりも住宅ローン控除が拡大されました。
居住年 |
控除期間 |
住宅借入金等の年末残高の限度額 |
控除率 |
認定省エネ住宅 |
認定長期優良住宅 |
一般住宅 |
平成24年 |
10年間 |
4,000万円 |
4,000万円 |
3,000万円 |
1.0% |
平成25年 |
10年間 |
3,000万円 |
3,000万円 |
2,000万円 |
1.0% |
※控除額が所得税額を上回る場合は、翌年度の個人住民税から控除(最高9.75万円)されます。
※認定省エネ住宅制度は、従来の省エネ基準より高い環境性能を満たす住宅に適用され、建築主などが建築物の建築・維持保全の計画を作成し、自治体などに申請するものです。
|