昨年12月に令和7年度税制改正大綱が公表されました。その主な内容は次の通りですが、大綱が公表された段階では、特に所得税の基礎控除、給与所得控除等について与党と国民民主党で合意が得られておらず、さらに協議を続けるとのことですが、一部内容が変更となっている可能性もありますのでご留意ください。
1. 法人税関係
- (1)
- 中小企業者等の法人税の軽減税率の特例の見直し
中小企業者等の所得金額のうち年800万円以下の金額に適用される軽減税率の特例(現行:15%)について、次の見直しを行った上、その適用期限が2年(令和9年3月31日までに開始する事業年度まで)延長されます。
- ①
- 所得金額が年10億円を超える事業年度について、その税率が17%に引き上げられます。
- ②
- 適用対象法人の範囲から通算法人が除外されます。
- (2)
- 中小企業者の設備投資等に係る優遇措置の見直し(所得税についても同様)
中小企業投資促進税制及び中小企業経営強化税制につき、一定の見直しを行った上、その適用期限が2年(令和9年3月31日まで)延長されます。
- (3)
- 設備投資等に係る優遇措置の廃止(所得税についても同様)
いわゆる5G導入促進税制及びデジタルトランスフォーメーション投資促進税制は、適用期限の到来をもって廃止されます。
2. 所得税関係
物価上昇局面における税負担の調整及び就業調整への対応として、次の(1)及び(2)の見直しが行われます。
- (1)
- 基礎控除の引き上げ
令和7年分以後の所得税について、合計所得金額2,350万円以下である個人の基礎控除額が10万円引き上げられます。
合計所得金額 |
基礎控除額 |
改正前 |
改正後 |
2,350万円以下 |
48万円 |
58万円 |
2,350万円超2,400万円以下 |
48万円 |
2,400万円超2,450万円以下 |
32万円 |
32万円 |
2,450万円超2,500万円以下 |
16万円 |
16万円 |
2,500万円超 |
0円 |
0円 |
- (2)
- 給与所得控除の引き上げ
令和7年分以後の所得税について、55万円の最低保障額が65万円に引き上げられます。給与所得のみの場合、給与収入が年120万円までは基礎控除の引き上げ(58万円)と合わせて所得税が課税されません(改正前:基礎控除48万円+給与所得控除55万円=103万円)。
なお、給与所得の源泉徴収税額表(月額表、日額表)及び賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表の改正については、令和8年1月1日以後に支払うべき給与等について適用するとされているため、令和7年に支払う給与等については従前の源泉徴収税額表に基づいて源泉徴収を行い、実質的な控除額の引き上げの効果は、令和7年分の年末調整で表れるものと思われます。

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