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188 地方拠点強化税制のポイント

平成27年度税制改正において、地方拠点強化税制が創設されました。

1. 概要

企業が本社機能を東京から地方に移転したり、地方においてその本社機能等を拡充する場合に、地方拠点建物等を取得した場合の特別償却または特別控除制度(地方拠点強化税制)が創設されます。この創設に合わせ、雇用の増加に対する税額控除制度(雇用促進税制)が拡充されます。

  拡充型 移転型
  地方の企業の拠点拡充 東京一極集中の是正
支援対象地域 東京圏、中部圏中心部、近畿圏中心部を除く地域
雇用促進税制
(1)
増加雇用者一人当たり50万円を税額控除
(2)
法人全体の雇用増加率10%未満の場合でも、一人当たり20万円を税額控除
(1)
増加雇用者一人当たり最大80万円を税額控除
(2)
(1)のうち30万円分は、雇用を維持していれば、最大3年間継続
(3)
(2)は法人全体の雇用増がなくても、東京から地方への移転者にも適用
オフィス取得減税 特別償却15%または税額控除4%
(2年間)
特別償却25%または税額控除7%
(2年間)

2. オフィス取得減税

(1)対象法人等

対象法人
青色申告書を提出する法人
適用期間内に地域再生法の地方拠点強化実施計画(知事承認)について承認を受けたもの
適用期間 地域再生法の改正法の施行日(平成27年8月10日)から平成30年3月31日までの間

(2)特別償却・税額控除
上記対象法人で、当該承認の日から2年以内に、当該計画に記載された建物および付属設備ならびに構築物で一定の規模以上のものの取得等をしてその事業の用に供した場合には、その取得価額につき次の割合で特別償却または税額控除の選択適用ができます。

  区分 特別償却 税額控除
平成29年3月31日までの間の承認にかかる取得等 移転型 25% 7%
拡充型 15% 4%
上記以外 移転型 25% 4%
拡充型 15% 2%

3. 雇用促進税制の拡充

上記2にかかる法人で、その承認の日から2年以内の日を含む各事業年度においては、下記の税額控除を受けられます。

    税額控除
1年目 移転型 50万円+30万円
拡充型(一定の場合) 50万円(20万円)
2年目以降 移転型 30万円