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環境対応車を購入すると補助金がもらえるいわゆるエコカー補助金は、対象となる新車の購入で最大90万円、最初の登録から13年以上経過した車の廃車を伴う新車の購入の場合は最大180万円の補助金を受けられる制度です。この制度の申請期限は平成22年3月31日でしたが、閣議決定により平成22年9月30日まで延長されました(ただし、予算がなくなり次第終了となります)。 この制度は、個人だけでなくエコカーを購入した法人にも適用があります。そこで、個人・法人がエコカー補助金を受けた場合の課税関係を整理してみました。 個人については、固定資産の購入に際してエコカー補助金などの国庫補助金を受けた場合は、補助金の額を総収入金額に算入しないという規定があります。この規定の適用を受けるためには、一定の明細書を添付した確定申告書を提出しなければなりません。また、この規定の適用を受けた場合の固定資産の取得価額は、購入対価から補助金の額を控除した金額となります サラリーマンで確定申告書の提出を行っていない場合は、補助金の額は一時所得として総収入金額に算入されてしまいます。しかし、補助金の額が50万円以下であれば、一時所得の特別控除額(50万円)の範囲内であるため、課税は生じません(満期保険金等他の一時所得がない場合)。 法人については、補助金の額を収益として受け入れる方法と、補助金の額を固定資産の取得価額から 減額する方法(いわゆる圧縮記帳)とがあります。前者については一時に法人税が課税されます。後者については補助金の額を取得価額から減額した分だけ毎期の減価償却費が減り課税所得が増えるため、固定資産の耐用年数にわたって課税が行われます(課税の繰り延べ)。 具体例を挙げると以下の通りです。 【例】150万円のエコカーを購入して25万円の補助金を受けた場合 1.補助金の額を収益として受け入れる方法 2.補助金の額を固定資産の取得価額から減額する方法 ※便宜上、減価償却費は耐用年数5年の定額法で、法人税等は税率40%で計算しています。 収益として受け入れる方法も圧縮記帳も5年間のトータルの税額は変わらないことがお分かりいただけると思います。どちらの方法を選択すべきかは一概には言えませんが、購入したエコカーの台数が少ない場合は、収益として受け入れる方法の方が簡便かと思います。運送業などで購入したエコカーの台数が多い場合は、圧縮記帳を検討する余地もあるかと思われます。 |